ここまでの考察を踏まえて、英語をビジネスで
使えるようにするための英語学習法を示します。
習得までの最速最短の道を示すものです。
おさらいですが、ビジネスで英語をゴリゴリに
使えるようにするという目標を設定した時に、
押さえなくてはいけないポイントは以下でした。
- リスニングの時間を
確保できるか - 英語の土台を学べるか
- 必要充分な構文を学べるか
- 場数を踏めるか
この中で、英語を運用することを考えた時に、
一番重要になるのはリスニングです。
英語を「話す」こと自体については、最悪、
丸暗記してしまえば何とかなります。
ですがその後に続く質疑応答や会話においては
リスニングができないとどうにもなりません。
また、リスニングさえできれば、
仮に話す力がまだ自分に備わっていなくても
周りで何が起きているか、どんな議論が
交わされているかの理解ができるため
精神的にも相当楽になります。
ただし、いきなりリスニングの習得は無理です。
実際問題、慣れるための時間も必要ですし、
それ以前に最低限の英語の知識がないと、
やはり聞くことはできないわけです。
リスニングができるようになるために
必要な時間の目安はこちらのブログでも
触れています。
リスニングができるようになるためにも、
話すことができるようになるためにも、
重要になってくるのが以下の2つです。
- 英語の土台を学べるか
- 必要充分な構文を学べるか
ここで記した「英語の土台」というのは
最重要です。
一方で「構文」というものはある程度は
暗記に頼るものなので即効性があります。
ですがこの構文というものも、
英語の土台があるとないとでは理解度が変わり、
習得のスピード、深さが変わってきます。
結論、英語の土台が最重要となります。
上記のブログでも書いたように、
英語の土台は中学文法+αです。
ここに英語の本質が詰まっているのです。
世の中にある英語学習系の書籍も、
結局は全て書いてあることは
英語の本質についてであり、
それぞれの本はその切り口違いとなります。
ここからは、本ブログで推奨する学習法において
最重要と位置付けられる英語の土台について
その中身をより詳細に見ていきます。
英語の土台を学ぶ際の障壁
一般的には、英語の土台で学ぶ内容は
受験英語で本来は学び終わっていることです。
ですが、その本来大切なはずの受験英語は
網羅的過ぎるのではないかというのが
私が持つ大きな課題意識の一つです。
網羅的すぎる受験英語
受験英語で目指す入学試験は文法偏重であり、
どうしても細かすぎることを教えたり、
本質ではない部分まで教える傾向があります。
これは日本の教育システムそのものが
そうなっているのでやむを得ないことです。
「文法を完璧にする」ではなく
「ビジネスで使えるようにする」というふうに
目標を置けば、学ぶべきことは絞られます。
自然と英語の本質に迫れるようになります。
本質さえ学べば、それ以上のことについては
自分で応用を効かせられるようになります。
逆に言えば、
応用が効く形で本質を学ぶ
というのが効率的です。
大人の学び直しの難しさ
また、社会人になってから、
言い換えれば大人になってからの学び直しにも
様々なハードルがあります。
そもそも英語の土台を学ぶ時期が
受験英語を学ぶ時期だったこともあり、
大人になってから受験英語を学ぶというのは
ちょっと気が重いですし、学習塾というのは
大人が行くのもハードルが高いです。
では、英会話スクールや書籍で勉強…
となりますが、英会話スクールでは
場数重視になるでしょうから英語の土台構築は
やや不安が残ります。良くも悪くも相応の
時間やお金が割かれてしまうというのも
人によってはハードルになるでしょう。
書籍はどうかというと
あまりにも多くの本がありすぎて選べません。
自分に合った本を選べるだけの英語力があれば
最初から苦労はしないというものです。
重複が多い従来の英語学習
書籍についても、中学校英語を学びなおす、
高校英語を学びなおす、などなど、
学び直し系は数多く出版されていますが、
もはや大人になってから中学校とか高校とか、
そのあたりを区分けすることに
どれぐらい意味があるのかも疑問です。
中学で学ぶ英語の単元
例えば、一般的に、
中学で学ぶとされる単元は以下のようです。
- 中学1年
-
- be動詞
- 一般動詞
- 疑問文否定文
- 疑問詞
- 命令文
- 三人称単数現在
- 現在進行形
- can
- 一般動詞の過去
- 名詞の複数形
- 代名詞
- be動詞過去
- 過去進行形
- 中学2年
-
- 未来
- 動名詞
- 不定詞
- 助動詞
- 比較
- there is
- 接続詞
- 受け身
- 現在完了
- 現在完了進行形
- 不定詞2
- 中学3年
-
- 原型不定詞
- 分詞
- 間接疑問
- 関係代名詞
- 仮定法
- 形容詞
- 副詞
単元で見てみると中学だけで実に30を超える
文法事項を学ばなくてはいけません。
でも、中学2年の「不定詞」は重複していますね。
次に、高校で一般的に学ぶ単元を見てみます。
高校で学ぶ英語の単元
- 高校1年
-
- 基本文型
- 時制
- 助動詞
- 態
- 不定詞/動名詞/分詞
- 関係詞
- 仮定法
- 話法、前置詞、接続詞
- 高校2年
-
- 関係代名詞
- 関係副詞
- 分詞
- 助動詞
- 受動態
- 仮定法
- 高校3年
-
- 文型
- 動詞
- 前置詞
- 代名詞
- 助動詞
- 受動態、動名詞、不定詞
- 時制の一致
- 名詞と冠詞
さてどうでしょう。20超の文法事項です。
でも何だか中学の時の単元と
ほとんど重複していませんでしょうか?
それどころか、高校1年~3年でも重複だらけ。
高校1年で学んだことは、ほとんどそのまま、
高校2年、高校3年で学ぶ内容と同じです。
これではなんだか同じようなことを、
時間をかけて周辺をぐるぐると学ぶので
頭の中が整理できない方も
多かったのではないでしょうか。
重複を排した英語学習の考察
中学、高校と合わせて50超の文法事項です。
試しに、中学、高校で学ぶ内容の
重複を削ってみましょう。
そうすると、残るのは以下の単元です。
ざっくり仕分けします。
- be動詞
- 一般動詞
- 疑問文
- 否定文
- 命令文
- 時制
(含:現在/過去/未来/現在完了等々) - 助動詞
- 複数形
- 動名詞
- 不定詞
- 比較
- 接続詞
- 受動態
- 分詞
- 関係代名詞
- 仮定法
- 形容詞
- 副詞
- 話法
- 名詞と冠詞
なんと、50超だったものが、
一気に20に減りました。
このように、教授する単元の重複が多いことも
英語学習者を混乱させる情報過多に
繋がっていたのではないでしょうか。
であれば、大人の学び直しであれば、
中学とか高校などと分けずに、
重複を省いて
ワンストップで学ぶのが効率的
だと言えるのではないでしょうか。
特に社会人は忙しいので、
効率はとにかく重視したいところです。
とともに、ここに挙げた文法用語も、
なんだか言葉として難しすぎます。
別に、英語話者も話すときに、
今は関係代名詞を使わなきゃいけないけど
主格だからwhichで、これは省略は
できないから云々…」
などと考えながら話す人はいないでしょう。
小難しい響きの文法用語が混乱を招くのなら
極力、必要のないものについては省くのが
妥当でしょう。もちろん、そうは言っても、
ご教授する便宜上必要な最低限なものはあるため
その最低限のものさえ押さえられれば
特に問題はないと考えます。
以上を踏まえて、英語の土台で学ぶことを
ここから記します。
最速最短で成果を出す英語学習法
通常の英語学習では、ここまで示したように
文法項目ごとに学習を進めていくことでしょう。
ですがそれだと体感として文法用語そのものが
なんだか小難しいし、学ぶ項目も増えます。
このブログで紹介するメソッドでは
「英語でできること」ごとに学習を進めます。
具体的には以下の14+1の15項目です。
この項目の中に、英語運用に必要な文法は
全て入れ込まれています。
- 状況を説明できる
- 自分のことを説明できる
- 細かなニュアンスを伝えられる
- 未来のことを言える
- 今していることを言える
- 過去のことを言える
- ずっと続いていることを言える
- ぼやかして伝えられる
- 動詞を名詞にできる
- 比較できる
- 文章をつなげられる
- もしものことが言える
- お願いできる
- 人から聞いたことを伝えられる
- 学んだことを組み合わせられる
実質、
ここで挙げた14項目だけ学べば、
英語で仕事ができます。
最後の15項目は、学んできた14項目を
組み合わせるコツについてです。
また、この順番自体に意味があり、
この順で学ぶから学びやすいですので
上から順に学習すること推奨です。
まとめますと、このブログで紹介する
英語の土台を作るための学習法の特徴は
- 重複を排した最短距離
- 小難しい文法用語を使わない
- 文法切りではなく
「できること」切り
この3点に集約されるでしょう。
とにかくシンプルに、文法用語も少なく、
コーヒー片手にスッと頭に入るような、
そんな内容を目指します。
なんだか今日のブログを読み返してみると、
従来の日本における英語学習の在り方を
ディスってしまっている内容にも見えました。
でも、私自身は完全に日本国内の、
従来の一般的なやり方で英語を
ビジネスで使えるようになりました。
ですから学校で教わってきたような
従来の一般的な英語学習法でも
自助努力があればできるようにはなります。
ですが実感として相当の「自助努力」が
必要だったことは否定できません。
それに、ここまで書いてきた通りで、
英語を教える立場にいた感覚から言っても
いくらか非効率な部分があることも、
薄々感じていたのも事実です。
ですから、今あるものをより良くする、
そんなつもりで内容を考えているところです。
それでは、最短距離で、
英語をビジネスで使えるように
まずは英語の土台から学んでいきましょう。