ここ数回、依頼についての学びを進めています。
今日は少し趣向を変えて表題の件です。
ビジネスの場において、英語で何かしらの依頼を
メールでする場面というのは多いでしょう。
自分で頑張って英語の文面を作るのもよし、
AI翻訳で英訳するもよし。ひと昔前に比べれば
そのハードルというのは非常に下がりましたね。
ところが、一生懸命英語で送ったメールに対して
先方から2日も3日も返信が来ない、というのは
非常によくある話です。依頼メールに限らず、
リモート会議の設定でさえ返信が遅い、など、
とにかくアルアルの話なのです。
やっと返信がきたと思ったら
サーバーがダウンしていて
返信ができなかった
みたいな明らかに嘘だろ!という言い訳とともに
欲しい情報とは違う返信がきたり苦笑
時差もあるので数日ぐらいあっと言う間に
過ぎてしまうんですよね。
なので今日の目標は
返信が来る英語メールの留意点
これをしっかりと押さえることにしましょう。
これをやったからといって必ず返信が
約束されるものではないかもしれませんが
何も考えずにメールするよりもマシです。
では、早速、返信が来るやり方を
考えてみましょう。
ビジネスで英語を使うことの大前提
まずはメール以前の話からです。
前にもお話したことがあったかと思いますが
英語というのは、もっと言うと英語話者は、
相手との会話を通じて理解を深めます。
反対に我々が母国語とする日本語というのは
相手を察する文化が根底にあるように思います。
つまり、日本語話者は例え声に出して
お願いされなくても、相手の気持ちを察して
自ら進んで相手の希望に応える。
この違いを認識しておいた方が身のためです。
英語の場合は、
言わなくてもやってくれる、
は滅多に無い
ということです。きちんとお願いするべきは
お願いをして、自己主張しないと
何も物事が前に進まないということを
肝に銘じましょう。
この意味では、身も蓋もない話ですが
メールよりも電話が早い
ということも大前提として理解しておくべきです。
特にメールよりは電話での
会話を通じてお互いの理解を
深めるのが英語での
コミュニケーションの基本作法
です。
この考え方を踏まえた上で、
メールの返信について考察してみましょう。
なぜメールの返信が来ないのか
英語でのメールの返信が来ない理由は
もちろん1つではないかもしれないし、
様々な理由が複合的に重なって
そのようになっているのかもしれません。
返信が来ない理由は先方に聞かないと
結局のところは分からないものですが、
よくあるパターンを3つだけ挙げてみます。
1:メールの文面が長すぎる
これが一番多い理由だったりします。
日本語話者のメールはとにかく長いです。
自己紹介だけで2行、3行、というのも
珍しくありません。メールをしている
背景の説明でさらに2行、3行…みたく。
全然、聞きたいこと、依頼したいことまで
たどり着かないという状況です。
なんだかよくわからないけど無駄なことが
沢山書いてあるな~、読むのやめよう。
こういう感じで先方は離脱しがちです。
2:何が聞きたいのか分からない
いざ本題に入っても、聞きたいこと、
依頼したいことが長すぎるようです。
これも日本語話者の特徴なのですが、
我々は相手を察する文化が強すぎるがために
なぜこのお願いをするのか、という背景の説明に
沢山の行数を割いてしまうのです。
これは英語話者からすれば言い訳が多すぎです。
言いたいことがあるなら早く言ってほしい。
何を言われているのかよくわからない。
という状況になってしまいます。
3:緊急性が伝わっていない
その依頼について、
相手にいつまでにどうしてほしいのかが
全く書かれていないケースというのもあります。
これも日本語話者の特徴と言えます。
我々は相手のことを察する文化で育っているので
言わなくてもやってくれるだろうと
無意識で思ってしまっているのです。
「よろしくお願いします。」なんていうのは
英語話者からすればかなり意味不明な表現です。
この「よろしくやっておいて」というのは
相手が察して動いてくれることありきですよね。
でも、相手が英語話者の場合には
ちゃんといつまでに何をどうしてほしいのか
言わないと伝わりません。
いやいや、
“as soon as possible”(=なるべく早く)
って書いたじゃん
と言われるかもしれませんが
そのなるべく早くというのがいつなのか、
というのも明確にしておくべきです。
先方からすれば
次にどうすれば良いかわからないから
とりあえず何か言われるまで待とう
ということになってしまいます。
返信が来やすい英語メールのコツ
3つだけ、よくあるパターンを挙げました。
この3つは、往々にして同時に起きています。
これら3つの対策をするだけで、
英語話者からのメール返信率は
各段にアップします。その対策について
以下で示してみましょう。
1:全ての段落は3行以内
日本語話者のメール長すぎ問題の対策です。
ここで是非思い出していただきたいのは
英語は結論ファースト
という初期の頃に何度も申し上げた点。
まさに英語の本質と言える話です。
英語ネイティブからの実際の返信を見れば
よくわかるのですが、英語ネイティブは
実にメールが短いですよね。結論だけ。
本当に、長くて3行ぐらいじゃないでしょうか。
メールに限らず、PPTの資料を作成する際にも、
私も英語ネイティブに直接言われたのですが、
英語話者は、
3行までしか読めませんよ
とのこと。特にアメリカの人達の場合には
この傾向が強まるらしいのです。
もちろん、読めないってことはないでしょう。
半分冗談で言っていましたが、半分本気です。
つまりは、英語の文章は短ければ短いほど良く、どんなに長くても
- 前段3行以内
- 本題3行以内
- 後段3行以内
まずはこれが基本の目安となります。
全部で最大9行ですが、9行だと多分長すぎです。
とにかく短ければ短いほど良いです。
2:箇条書きを上手く活用する
何を聞きたいのか分からない問題の対策です。
一番簡単な解決策は
箇条書きを使う
ことです。
箇条書きにすれば、普通は文章が短くなります。
これは日本語でも同じはずです。
聞きたいこと、お願いしたいことを
箇条書きで1行ずつ書くに留めるのです。
余計な言い訳や背景説明は無しです。
で、この箇条書きも3つまでがベストです。
これだけで随分スッキリするはずです。
3:できれば電話したいと書く
次に相手に何をしてほしいのかが
伝わっていない問題の対策です。
これはもう、いつまでに何をしてほしいという、
その
具体的な日付や時間を入れる
に尽きます。
“as soon as possible”は極力避けましょう。
それですぐに返信をくれる人もいますが
どちらかというと人間関係ができている人に
限られる印象です。通常、書くべきは、
何月何日の何時までに●●について
返信してください。ですね。
あともう一つ、返信確率をグンと挙げる方法。
これは冒頭に紹介した基本となる考え方に
則ります。つまり、電話です。
いついつまでにこうしてほしい、
必要とあらば電話で話したい
ということまで踏み込んでしまうのも手です。
例えば、本題となる依頼をした後で、
I’m happy to talk with you on the phone. My available time slots are…
みたくして自分が電話できる日時を
一方的に書いてしまうのです。そうすれば
緊急度合いが上がる上に、相手からすれば
会話で理解を深めるという原則に合致するので
非常にスマートな流れとなります。
で、たいていの場合、このように電話で話そう、
などと書いておけば、電話で話す前に
それなりの返信がちゃんときます笑
かなり強力なコツです。
今日の復習と次回の予告
今日はビジネスにおける英語メールで
先方からなかなか返信が来ない理由と、
その解決策を考察してきました。
- 英語は結論ファースト
- メールよりも電話
- 3行以内に留める
- 箇条書きを上手く使う
- 相手にしてほしい行動を
具体的に記載する - 締切日時を具体的に示す
- 必要あらば電話する用意が
あることを明記する
これぐらい押さえておいて返信がなければ
もうそもそもメール以前の何かが違っています。
電話や対面での人間関係を作ることが
先になるでしょう。
ということで、相手にお願いする、
という学びは今日までとします。
次回は、ここ数回の学びを振り返る
復習の時間にあてたいと思います。