前回に続き、お願いする方法を学びます。
今日の目標は
丁寧にお願いする言い方を学ぶ
です。
正直、人間関係さえできてしまっていれば
あまりに失礼な言い方さえしなければ
どんな言い方でもお願い自体はできてしまいます。
ただ、人間関係ができていないなかで
先方に何かお願いごとをするというのは
ビジネスの場面では日常茶飯事でしょう。
また、例え親しい相手だったとしても、
お願いする事柄次第では、やはり丁寧に
お願いしなくてはいけないというのも、
これはもはや言語云々という以前の話で
人間に共通する意識と言えそうです。
というわけで、前回のような簡単な方法だけでは
乗り切れないというのも事実です。
一般的によく使われるお願いの表現、
そしてその表現の裏にある考え方を
これを機に学んでいきましょう。
仮定の言い方が基本になる
丁寧にお願いするにはどうするか。
日本語でも同じことだと思います。
他人に何かお願い事をする時って
もしもこれお願いしたら失礼かなぁ…
というのを自分と相手との関係性で考えて
その嫌がられるかどうかのギリギリのラインを
意識的、あるいは無意識的に攻めるものです。
そう、
もしもお願いしたらどうなるか
この発想が実は頭の中にあるのです。
お願いするという行為は、
お願いしたら相手がどう反応するだろうか、
受けてくれるだろうかという、
相手の気持ちや反応に対する仮定に
想いを巡らす行為だったりするわけですね。
このことを踏まえて、考えてみましょう。
丁寧なお願いでよく言う言い方
前回も出てきた例文で考えてみましょう。
Turn on the light.
「電気をつけなさい。」
これが一番ぶっきらぼうな頼み方ですね。
これをほんの少し丁寧にして
「●●してください」というニュアンスを
込めるならば、
Please turn on the light.
「電気をつけてください。」
こんな感じで“please”を言っておけば良いです。
ここまでは前回の学びでしたね。
では、冒頭触れた「仮定」の考え方を入れます。
「電気を今はつけてくれていないけど、
お願いしたらつけてくれることは
できるかな?」
ものすごく極端に言うと、こういう考え方です。
相手の反応について想いを巡らせています。
この心の中の声から、表現を導き出すための
ヒントが隠れています。お気づきですか?
以下のオレンジの下線がヒントになります。
「電気を今はつけてくれていないけど、
お願いしたらつけてくれることは
できるかな?」
「今はつけてくれていないけど」というのは
現在の事実を述べていますね。
今はつけてくれていない。
お願いしたらつけてくれる、というのは
現在の事実に反する仮定です。
これで言い方の輪郭が見えましたね。
まだ見えてこない人は以下で復習しましょう。
もう一つの注目ポイントは
「できるかな」ですね。
以下の2つ目のオレンジ下線部分です。
「電気を今はつけてくれていないけど、
お願いしたらつけてくれることは
できるかな?」
現在の事実に反する仮定であり、
かつ、仮定の内容が「できるかどうか」です。
となると、こう言うしかないでしょう。
Could you turn on the light?
「電気をつけていただけますか?」
相手の気持ちや反応に想いを巡らせた結果、
仮定の表現を使うことでより丁寧に
相手にお願いすることができました。
上記の文章は「できるかどうか」に
重点が置かれているから“could”ですね。
「相手の意思」に重点を置くのであれば
“would”を使っても良いでしょう。
Would you turn on the light?
日本語での訳し分けは難しいですが、
ほとんど意味は同じと考えて良いです。
さらに丁寧にお願いする
もっと丁寧に言う方法についてです。
先ほどの表現をカジュアルに、
より少しだけ丁寧にするには“please”を
重ねることでその感じが出ます。
Could you please turn on the light?
“please”を入れる位置はどこでも良く
言い方やトーンで言いやすいところで良いです。
丁寧に許可を取りたい時
後は、自分が電気をつけたいんだけど、
相手に許可を取りたい時。
そんなケースもあり得るでしょう。
一番簡単な言い方は
Can I turn on the light?
とか
May I turn on the light?
といったニュアンス言葉を使えば良いです。
これをさらに丁寧にするには…
Would you mind if I turn on the light?
相手に許可を取る時の言い方としては
これぐらいが最大級に丁寧かもしれません。
直訳すれば
「もしも私が電気をつけたら気にしますか?」
という仮定の文章ですね。
「今は気にしてないでしょうけど
つけたら気にしますかねぇ」みたいな。
これを自然な日本語にするのなら、
「電気をつけても差し支えありませんか?」
ぐらいでしょう。
最大レベルに丁寧な依頼の言い方
あまり丁寧すぎると今度は不審がられますが、
それでも、例えば完全に初対面だったり
相手が相当目上の人だったり…という具合に
必要になってくる場面はあることでしょう。
先ほどの“Would you mind ~?”というのも
相当丁寧ではあります。
なんななか、どう聞くと最大限に丁寧になるか。
日本語で考えると…
(ちょっと無理かもしれないけど)もしも●●していただけたら本当にありがたいんですが…
これぐらいへりくだると良さそうですね笑
これを英語で言うならば
I would be very appreciated if you could turn on the light.
先ほどの日本語を英語にすると
上記のような感じになりますよね。
appreciate(=ありがたい)という言葉自体が
既にフォーマル感が出ているのですが、
それに加えてさらに仮定の表現を組み合わせ
とにかく丁寧にお願いしている感じです。
まぁ、はっきり言って、電気をつけるためだけに
こんなに丁寧にお願いするというのは
完全にどうかしていると思うわけですが
あくまでわかりやすい例文ということで
ご容赦いただければ幸いです。
今日の復習と次回の予告
今日は一般的によく使われる
丁寧なお願いの仕方について学びました。
ここで紹介したのはあくまで一例です。
他にも非常に多くのバリエーションがあります。
ですが汎用性の高いものに絞りました。
- Would you ~? /
Could you ~? - I would be very appreciated
if you could ~
本当に、細かなバリエーションは沢山あります。
でもそれらも文章の成り立ちを考えれば
少なくとも聞いて対処することは可能です。
その様々な表現に触れる機会があれば
また都度、振り返っていきましょう。
次回は依頼のメールを英語でしたのに
なかなか先方から返信がこない、
というビジネスにおけるアルアルな話を交えて
依頼の作法の部分にも触れたいと思います。