事実に反することを仮定する表現について
学びを進めてきました。今日が最後です。
基本的にはこの手の表現というのは
言い方の型、言わば公式が決まっていました。
現在の事実に反する仮定の復習はこちら。
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過去の事実に反する仮定の復習はこちらです。
![](https://gk-english-salon.com/wp-content/uploads/2024/06/28333247_s-300x200.jpg)
上記のような公式があるなかで、
必ずしもこの通りではない言い方もあります。
今日の学びの目標は
事実に反する仮定の表現を増やす
です。
学校では表現をひたすら暗記する、
というアプローチが取られると思います。
ですが、事実に反する仮定をする際に
ブレない表現というのが核にありますので
そこさえ押さえればなんてことはありません。
では、中身に入っていきましょう。
仮定する際にブレない言葉
この言葉が出てきたら事実に反する仮定だな、
と思って良い言葉があります。
もう既に何度も登場していますが
ニュアンス言葉の過去形
です。
“would” “could” “should” “might”などなど。
これらが出てきたら、
過去のことを言っている、というよりも
仮定の話をしている、と考えた方が
しっくりくる場合が多いです。
“should”は「~すべき」という意味では!?
と思った方、素晴らしい指摘です。
動詞に「~すべき」というニュアンスを
込める言葉として以下で学びましたね。
![](https://gk-english-salon.com/wp-content/uploads/2024/02/2756573_s-300x227.jpg)
この“should”は確かに日本語で訳す時は
「~すべき」と訳すことになるのですが、
文字通り考えるとやはり仮定のニュアンスです。
You should do this!
「あなたはこれをするべきです!」
この簡単な文章で考えてみましょう。
この言葉が言われた背景を考えます。
実は、いま現在「あなた」は「これ」を
「していない」ということですよね。
「していない」から「するべきだ」と
言っているのです。
現在は「これ」を「していない」。
ですから、「これ」を「する」というのは
現在の事実に反しています。
ゆえに、これは現在の事実に反する仮定です。
その仮定のニュアンスを尊重しつつ
「~すべき」というニュアンスで
訳しているということなのです。
結論、
ニュアンス言葉の過去形は
事実に反することを言っている
可能性が高い
と心得ておきましょう。
“if”は必ずしも必要ない
これまで見てきた表現だと、必ず“if”という
つなぎの言葉で「もしも」を表していました。
ですが、先ほどの例の通りで、
ニュアンス言葉の過去形が既に
仮定のニュアンスを持ちますので
必ずしも”if”は必要ないとも言えるでしょう。
You should do this!
例えば先ほど出てきた上記の例には
“if”なんていう言葉はどこにも入っていません。
こんな文章だとどうでしょうか。
With a little more money, I could travel abroad.
ちょっと悲しい文章です苦笑
やはり“if”などどこにも書いてありませんが
“could”と言っていますので現在の事実に
反しているということが伺えます。
With a little more money, I could travel abroad.
「もう少しお金があれば、海外旅行に行けるのに。」
実際には海外旅行に「行けない」。
悲しいですがこれが現在の事実ですね。
事実に反する話をしているから“could”なのです。
では“with”の反対の意味の前置詞“without”で
例文を見てみましょうか。
Without your help, I could not have done such a thing.
「あなたの助け無しでは、私はそのようなことをできなかっただろう。」
実際には「そのようなこと」を「できた」。
ということですよね。
過去の事実に反する仮定です。
これはどうでしょう。
I should have left home earlier.
「もう少し早く家を出るべきだった。
実際には「早く出なかった」んでしょうね。
ちょっとした後悔が感じられます苦笑
こんな感じで“if”を使わなくても
ニュアンス言葉の過去形を使って
事実に反する仮定で話すことは可能です。
その他の仮定の表現
あと、たまに言う言葉として、先ほどの
“without”の言い換え表現があります。
Without your help, I could not have done such a thing.
「あなたの助け無しでは、私はそのようなことをできなかっただろう。」
これを違う表現で言うと…
If it had not been for your help, I could not have done such a thing.
こんな表現になります。
これは過去の事実に反する仮定ですね。
現在の事実に反する仮定であれば…
If it were not for your help, I could not do such a thing.
「もしあなたの助けが無ければ、そんなことはできないだろう。」
まぁ、ちょっととっつきにくいですよね。
普通に“with”とか“without”で簡単に言うので
全くもって充分だと思います。
気分で使い分けていただければOKです。
覚えたい方は覚える、ぐらいで。
後はこの「もしも」に当たる部分を
“if”を使わずに言い換える方法は無数にあります。
そのあたりはそういった表現に出会う都度、
頭の中に入れていけば良いでしょう。
とにかくニュアンス言葉の過去形が出たら
それが仮定の表現であるということさえ
知っておけば、「もしも」に当たる部分が
あろうがなかろうが、理解可能です。
今日の復習と次回の予告
今日は事実に反することを仮定して言う表現を、
核となる言葉を知ることで増やしました。
実際には“if”を必ずしも言わなくてOKです。
ニュアンス言葉の過去形は
事実に反することを言っている
可能性が高い
次回は過去3回を振り返る復習の時間にします。