前回は代名詞を使って文章をつなげる
ということを学びました。
今日の目標も
代名詞を使って文章をつなげる
です。
今回は前回のバリエーションです。
考え方は同じと思っていただいて大丈夫です。
では、早速内容に入っていきましょう。
使う代名詞の復習
前回の復習からです。
覚えておくべきは以下の3つでしたね。
左から右に100回ぐらい唱えて
サクッと覚えてしまいましょう。
念のため、再掲します。
~は | ~の | ~を | ~のもの |
who | whose | who(m) | – |
which | whose | which | – |
that | – | that | – |
前回と今回の説明では細かな文法説明を
大胆に省略しています。このあたりの事情は
前回補足していますのでご参照ください。
また、前回の学びを完璧にしてから
今回の学びを進めてください。
代名詞を使って文章をつなげる方法
- This is the book.
「これがその本です。」 - I bought the book yesterday.
「私はその本を昨日買いました。」
この2つの文章をつなげてみましょうか。
簡単に日本語でつなげれば…
この本を買ったんだが、
それは昨日買ったものである。
ということさえ伝われば良さそうです。
まずは代名詞でつなぐことを考えずに、
既に知っている知識でつなげてみましょう。
つなげる言葉を使ってつなぐ
- This is the book.
「これがその本です。」 - I bought the book yesterday.
「私はその本を昨日買いました。」
普通に“and”でつなげればよさそうですね。
andでつなぐ
This is the book, and I bought it yesterday.
「これがその本でして、私は昨日それを買いました。」
良い感じですね。何の問題もないでしょう。
例によって、ニュアンスをほんの少し変えて
“but”を使ってもよさそうです。
butでつなぐ
This is the book, but I bought it yesterday.
「これがその本なんだが、私はそれを昨日買ったんだ。」
厳密に言うと逆説ではないんだけども、
文章をサラッとつなげる時に使う“but”です。
日本語と全く同じ感覚で
文章をつなげることができますね。
このあたりの話も、前回学んだ通りです。
代名詞を使ってつなぐ
では今日の本題です。
前回も説明しましたが、先ほどのように、
つなぐ言葉を使って文章をつなぐ方法は
少し考えれば簡単に思いつくはずです。
なので、無理に今から説明する方法で
つながなくても良いかもしれません。
ですが、代名詞を使ってつなぐ方法は
あらゆる場面で非常に一般的な話し方ですので、
相手は容赦なく使ってきます。
自分が話す時にもいろんな方法を知っている方が
相手に与える印象も変化に富みます。
ということで、知っておいた方が良いのです。
例文は先ほどのもので考えましょう。
- This is the book.
「これがその本です。」 - I bought the book yesterday.
「私はその本を昨日買いました。」
考え方としては、前回学んだこと全く同じ。
代名詞の特性そのものであり、
英語の本質そのものです。
英語は繰り返しを嫌う言語なので
前の文章にでている同じ言葉は代名詞にする。
それだけです。
この2つの文章で明確に繰り返されているのは、
以下の青下線で示した“the book“です。
- This is the book.
「これがその本です。」 - I bought the book yesterday.
「私はその本を昨日買いました。」
この繰り返しをさけ、かつ文章をつなげるために
代名詞を使う方法です。
では、どの代名詞を使うのか。
今回重複している単語は人ではなくて物です。
なので“which”を使えば良さそうですね。
では先ほどの表のどれを使うべきなのか。
2つ目の文章で重複する“the book”は
「私はその本『を』昨日買った。」
ということですから目的語の位置ですね。
~は | ~の | ~を | ~のもの |
who | whose | who(m) | – |
which | whose | which | – |
that | – | that | – |
ですから、上記の場所にある”which”です。
ではつなげてみましょう!
This is the book which I bought yesterday.
「これが私が昨日買ったその本です。」
もとの2つの文章と見比べてください。
1つ目の文章は完全な形で残っていますね。
しっかり“This is the book”と書いてあります。
2つ目の文章については
「私はその本『を』昨日買った。」
という意味なわけですが、1つ目の文章と重複する
“the book”が重複ゆえに無くなりました。
“I bought yesterday”となっていますから
“bought”と“yesterday”の間にあった
“the book”がなくなりました。
ここでポイントとなったのは、
重複するものがある位置です。
昨日の文章だと主語の位置にありましたが、
今回は目的語の位置にありますね。
何を言っているか混乱してきたかもしれないので
ちょっと復習のために再掲してみましょう。
- I know a person.
「私はある人を知っている。」 - The person is a consultant.
「彼はコンサルタントです。」
前回はこれをつなげました。
重複する2つ目の“person”は
明らかに主語の位置にあります。
「その人『は』」です。
ですから、代名詞は以下を使って
文章をつなげたのです。
~は | ~の | ~を | ~のもの |
who | whose | who(m) | – |
which | whose | which | – |
that | – | that | – |
I know a person who is a consultant.
「私はコンサルタントの知り合いがいる。」
前回出てきた以下の文章も同じ考え方です。
- I know a person.
「私はある人を知っている。」 - The person‘s job is consulting business.
「その人の仕事はコンサル業です。」
2つ目の文章の重複部分では
「その人『の』」ですね。
~は | ~の | ~を | ~のもの |
who | whose | who(m) | – |
which | whose | which | – |
that | – | that | – |
I know a person whose job is consulting business.
「私は仕事がコンサル業の知人がいる。」
では今回の文章はどうでしょうか。
- This is the book.
「これがその本です。」 - I bought the book yesterday.
「私はその本を昨日買いました。」
2つ目の文章で重複する“the book”は
「私はその本『を』昨日買った。」
ということですから目的語の位置ですね。
~は | ~の | ~を | ~のもの |
who | whose | who(m) | – |
which | whose | which | – |
that | – | that | – |
ですから、上記の場所にある“which”でつなぐ。
This is the book which I bought yesterday.
「これが私が昨日買ったその本です。」
考え方自体は簡単ですね。前回学んだことと
同じことを繰り返しているだけです。
日本語で訳す時には上記のように後ろの文章から
訳した方が日本語らしくなりますが、
実際に英語で会話しているときには
前から結論ファーストで解釈します。
「これがその本なんだけど、私は買ったんだよね、昨日。」
みたく前からどんどん解釈していきましょう。
このつなげ方を使えば、
単語数が減ってスッキリします。
「~を」の時は省略できる
最後に、非常に重要な話をしておきます。
今回は2つ目の文章の重複部分が
「~を」でした。
- This is the book.
「これがその本です。」 - I bought the book yesterday.
「私はその本を昨日買いました。」
この場合、代名詞を使って文章をつなぐ際に、
その代名詞を省略することができます。
普通につなげると
This is the book which I bought yesterday.
「これが私が昨日買ったその本です。」
上記のようになるのが基本ですが、
この“which”を省略できるのです。
This is the book I bought yesterday.
「これが私が昨日買ったその本です。」
“which”が消え去りましたね。
使い分けはもはや気分で、という感じです。
長くゆっくり話したければ“which”を言い、
短くシンプルに話すなら“which”は言わない。
こうなってくると完全に英語の本質丸出しです。
まず“This is the book.”と結論を言ってしまい、
補足的な情報の“I bought”とか“yesterday”とかは
後回しで充分、という感じですね。
英語の感覚を象徴する話し方かもしれません。
今日の復習と次回の予告
さて、今日は代名詞を使って
文章をつなげるバリエーションを学びました。
前回の復習と合わせて以下にまとめます。
- 英語は繰り返しを嫌うので
前の文章に出ている同じ言葉は
代名詞にするのが原則。 - 繰り返される言葉が
人なら”who”、
物なら”which”で
文章をつなげられる。 - 2つ目の文章の重複部分が
「~を」の場合
“which” “whom”は省略できる
今回は「省略」して良いものが登場しました。
省略には他のパターンもあります。
それについてはまた別の機会に話します。
次回は“which”や”who”以外の代名詞について
学びを進めていければと思います。