前回の予告通り、このブログでは、
短期間のアメリカ滞在で、
- 英語力はどう伸びるのか
- そもそも伸びるのか
- 何に意識すれば良いのか
このあたりについて書いていければと思います。
一般論として「海外経験」と言う場合、
普通は年単位での滞在を言いがちですよね。
ただ最近では、
数週間や数ヶ月単位での滞在のことを
「ショートビジット」などと
言ったりもするそうです。
私の場合は2.5ヶ月の滞在なので、
このショートビジットと言えそうです。
では、果たしてそんな短期間の滞在で、
英語力は伸びるのか。
結論から言うと、私の場合はダメでした苦笑
リスニング力の多少の向上以外は、
そこまで英語力が上がった実感はありません。
ただし、その後の英語学習に活きる、
非常に重要な学びをいくつか得ました。
その学びを意識することで、後になって
英語力は大きくレベルアップしました。
前回も触れた通りで、それは以下の学びです。
- 英語学習の明確な目標
- リスニング力の向上
- 自分の意見を持つこと
一つずつ、解説していきます。
英語学習の明確な目標
後々になって英語力のレベルアップに
何が一番効いたかと言われれば、
もしかしたら
「明確な目標を持ったこと」
と答えるかもしれません。
次の項目で告白しますが、この滞在では、
びっくりするぐらいに英語ができませんでした。
これはもう、絶望的な状況でした。
受験科目としてはそれなりに
自信があったはずなのですが、
実戦の英会話では
全く通用しなかったのです。
悔しかったです。というか絶望を味わいました。
それと同時に、ちゃんと英会話ができたら、
「この滞在をどんなに充実したものに
できたことか」と本気で悔いました。
実際問題、英会話ができるだけで、
この瞬間はきっと凄く楽しいんだろうな
と思わされることがあった回数は
誇張抜きで数え切れません。
この悔しさがきっかけになって、
また今度同じところに来る機会が
あったら、次回は絶対に
周囲の人達と同じレベルで会話する
という、かなり明確な目標を持つに至りました。
今ではこの目標は達成できた状態ですが、
英語学習時の精神的な拠り所でした。
結局、熱意に敵うものはないですね。
なので、何というか、もしもこれから海外での
留学なり、駐在なり、ショートビジットなりを
予定されている方々がいらっしゃれば、
是非覚えておいていただきたいです。
現地で言語を学ぶのは
やめましょう
ま、私が偉そうに言えたクチではないですが笑
現地で言語を学ぶことに時間を割くよりも、
言語ができることは前提として、
言語を駆使してできる「体験」をすべき
かと。
私にはそれができませんでした苦笑
渡米する前に英会話が完璧な状態ならば、
刺激に対する学びがもっと大きかったはずです。
英語に限らず、国内だけで言語を習得することは
実は可能です。もちろん相応の努力は要ります。
でも、可能である以上は、なるべく現地に
行く前にできるようになっていると良いですね。
英語学習的な観点からすれば、現地に行ってから
学ぶべきは、
- リスニング力のさらなる向上
- 単語、熟語、言い回しの幅の増強
という状態にまでは持っていきたいところです。
以上、失敗した人からの体験談でした苦笑
次の項目は、そんな私が唯一、
英語力の観点から向上できた点をご共有します。
それは、リスニング力の向上です。
(まぁ、これも本当は国内で可能なんですが…)
リスニング力の向上
既に述べた通りで、滞在開始当初は絶望でした。
本当に、恐ろしいレベルで英語が
聞き取れないのです。
そもそも、これは本当に英語なのか?
とすら思いました。
実際、アメリカなんかですと様々な言語が
飛び交う状況もそれなりにあるなかで、
英語じゃない言語のことを英語だと思って
一生懸命聞き取ろうとしていた
こともありました。
それぐらいに聞き取れないのです。
今から思えば、これには様々な原因があります。
例えば…
- 聞いたことが無いぐらい純粋に速い
- 人によって声の質が違う
- 英語話者が訛っている
他にも沢山の理由があるのですが、
ある程度の英語力の素地があった自分からすれば
聞き取れていない理由は恐らく上記です。
聞いたことが無いぐらいに純粋に速い
聞いたことが無いぐらいに速い。
これは間違いなく事実です。
実際、ネイティブスピーカーの英語は速いです。
会話が盛り上がる時なんかは特に速い。
結果、一番楽しいところが聞き取れません。
「ちょっと聞き取れないからゆっくり話して」
とお願いしても、そのゆっくりなスピードすら、
国内の一般的な学校教育を受けた人は
聞き取ることができないでしょう。
もちろん英語話者による個人差はあります。
年配の人の方がスピードは遅いです。
若い人はメチャクチャ速いです。
我々の学校教育では、この通常の速いスピードを
授業でリスニングすることはほぼ無いでしょう。
なので、意識的に圧倒的に速い英語を
聞き取る練習をしなくてはいけません。
人によって声の質が違う
さらに厄介なのが、人によって
声の質が違います。当たり前の話ですよね。
日本語だって、聞き取りやすい声の人と
聞き取りにくい声の人がいるものです。
アメリカでは、日本では見たことがないぐらいに
身体が大きな人がいたりします。
そういう人の声は、これまた日本では
聞いたことがないぐらいに低かったりします。
こうなるとなかなか聞き取りにくいです。
というか、そもそも多くの欧米人は
身体の構造として日本人より大きいので、
声は低くなりがちです。この微妙な差に、
我々の耳が合わせられないのです。
また、これも人によるでしょうが、
私の個人的な感覚では、
男の人の声と書いて「男声」よりも
「女声」の方が聞き取りやすいかなと感じます。
これもきっと女声の方が男声よりも
声の高さが高いからでしょうね。
英語話者が訛っている
これも実際に聞いてみるとわかりますが、
同じアメリカでも地域によって微妙に
発音が違ったりします。言い回しも地域によって
独特なものを使う人もいます。
こうなってくるともうお手上げです。
訛りについてはもう、標準的な発音の聞き取りを
完璧に近い状態でできるようになったら、
ようやく分かってくるようなイメージです。
我々も日本語には方言があるわけですが、
あれも、標準語が完璧に分かる状態で、
ようやく伝わる感覚がありますよね。
地域によっては使われる単語が違ったり、
非常に強い抑揚のせいで、何を言っているか
全然わからないことだってあります。
ネイティブスピーカーでさえそうなのです。
英語の場合は、日本語の方言ほど、
顕著な違いというのは無いとは感じますが、
それでも初心者は苦労すること必至です。
- 聞いたことが無いぐらい純粋に速い
- 人によって声の質が違う
- 英語話者が訛っている
以上のことにより、当時の私は、
全く周囲の英語が聞き取れなかったのです。
学校のリスニング教材など、なんて美しい英語を
ゆっくり喋ってくれていることか。
とてもじゃないけど、聞けるようになるとは
全く思えないぐらいに聞き取れなかったです。
絶望とはこのことかと。
毎日、日本に帰りたいと思ったほどです。
でも、そんなことも言ってられないから、
生活するしかありません。
その上で、こんなことを思いました。
聞けなくても良い場面
と
聞けなくてはいけない場面
があるな、と。
まぁ、ほとんどが
聞けなくてはいけない場面ですが笑
聞けなくてはいけない場面というのは、
- 誰かにお願いされる時
- 誰かがアナウンスをする時
- 自分の身に危険が迫る時
このような場面では聞けないと問題です。
自分に対して誰かが話しかけてくるケース。
その中でも特に、何かお願いをされる時。
あるいは、集団行動する時に、
誰かがアナウンスをする時。
こういう時は、必死で聞きます。
聞き取れなかったら、恥を忍んで、
何度でも聞きにいきます。
また、自分の身に危険が迫る時も注意です。
ニューヨークに滞在していた時、
当時は地下鉄に乗ると、3回に1回ぐらい、
大きな声で騒ぐ人が車内に現れました。
大きな声を突然出されると、
少なからず動揺してしまいます。
ですがよく聞けば、
単に「お金が無いから恵んでくれ」
と言っているだけだったりします。
こういう場面も、純粋に怖いですので、
一生懸命に耳をそばだてるようにしました。
逆に聞けなくて良い場面。
- テレビを流し見している時
- 近くの人が雑談している時
そのような場面もいくらでもあると思います。
ですが私はこういう時も、何とか聞きたいと、
耳をそばだてていました。
単純に海外の人達がどんな番組を見ているのか。
海外の人達はどんな話を雑談しているのか。
まぁ、実際はほとんど聞き取れないんですけど笑
それでも、一生懸命に聞こうとする努力が
きっと大事なことだったんだろうと思います。
そのような涙ぐましい努力をしているうちに、
滞在開始から3週間ぐらい経ったある日、
以前より周囲の英語が聞き取れるように
なっている自分に気付きました。
人間の脳というのは不思議なものですね。
2.5ヶ月経つ頃になると、なんと、
聞き取りやすい声質で、標準的な抑揚で
話す人の英語については、ほぼ全て、
聞き取ることができるようになっていました。
感覚的に言うと、英単語が全部聞こえるのです。
ただし、残念ながら意味が分かりません。
単語は全て聞こえているのに
意味がわからないのです。
原因は明確で、単語、熟語、言い回しです。
当時の私には、英会話に必要な、
単語量、熟語量、言い回しの幅、
それら全てを欠いていました。
恐らく当時でも、もっと暗記量を増やしていたら
かなり会話についていくことが
できたのではないかと思います。
これらのことから、リスニング力の
向上に関して言えるのは、
単語、熟語、言い回しを
知った上で、相応の時間、
一生懸命聞き続けること
「相応の時間」というのを計算しましょうか。
私のケースで言えば3週間ぐらいで、
少しずつ聞き取れるようになっていきました。
1日中、他人と過ごすプログラムだったので、
起きている間は大体英語が聞こえていました。
そうすると1日17時間ぐらいのリスニング。
これを21日間やるということで、
単純計算で357時間ですね。
これぐらいの時間、一生懸命聞き続ければ
自然と聞けるようになってくるんですね。
これは普通に、海外に行かなくても、
日本で可能な話です。
ただ、人によって出発地点が違います。
私には英語の素地が一応、ありました。
一方で、単語、熟語、言い回しは不足です。
なので、単語、熟語、言い回しを
沢山知っている人であれば、
この時間はきっと短縮できると考えられます。
逆に英語の素地が無い人は、
この時間よりも多くの時間がかかるでしょう。
リスニングは非常に重要です。
英語学習において
一番重要なのはリスニング
だと私は思っています。
リスニング力を向上させるために、
この気が遠くなるような時間を
いかに短縮させるか。その方法については、
また別途まとめてご共有したいと思います。
自分の意見を持つこと
英語以上に絶望したのが、
自分の確たる意見を持っていないことでした。
アメリカでは、自分の意見を
求められることが多かったように感じます。
ですが最後まで、私は自分の意見を
ペラペラと話すことはできませんでした。
それは英語力はもちろんですが、
それ以前に自分の意見を周りのみんなほど、
しっかりとは持てていなかったことによります。
要するに幼かったというのもあります。
ただ、同世代のみんなは堂々と、
自分の意見をぶつけあっていました。
普段から様々な分野のことについて
関心を持ち、考えていることが伺えます。
また、伝え方、プレゼンも上手でした。
そんなみんなから、私はどう見えていたか。
これは想像にはなってしまいますが、
「意見を持っていない(浅い)」
×
「伝える術がない」
=
「空気」
まぁ、完全に空気だったでしょうね。
その場にいるけどいない。
英語話者というのは、会話の量が多いです。
意思表示や質疑応答を通じて
お互いの理解を醸成していきます。
そこに入り込めないというのは、
理解してもらえないのはもちろんのこと、
意思表示をしない人=
チームに協力しない人
そう思われても仕方がない文化です。
英語ができない時点で発言権は無いですし、
意見があるのに意見が無いと思われるのは
非常にもったいないです。
これはビジネスの現場でも何度も見てきました。
メチャクチャ仕事ができる優秀な先輩なのに
英語ができないというただそれだけの理由で
取引先からその先輩をチームからクビにしてくれ
と言われたのは一度や二度じゃありません。
英語ができないことで損をしている日本人が
あまりに多すぎます。そして残念ながら、
現時点ではこの状況は、英語の同時翻訳系の
AIツール等々ではまだ解決できません。
そのあたりの話はまた別途しましょう。
英語力はともかく、自分の意見を持つこと。
仕事に限らず、何にせよ、
知識不足というのは圧倒的に不利です。
知識の幅や深さがあるからこそ、
一つの事柄についても考え方に深みが出ます。
なんだか、英語話者達は、そんなことを
自然と知っていて、実践しているようなのです。
まとめ
ということで、自分の経験という、
まぁまぁ偏った話にはなりましたが、
アメリカ短期滞在で英語力は伸びるのか。
記憶を頼りにまとめてみました。
- 英語学習の明確な目標
- リスニング力の向上
- 自分の意見を持つこと
上記の点で得たものは大きかったと言えます。
肝心の英語力については、私の失敗談も
恥ずかしげもなく語ってきましたので、
今後、海外に短期~長期で滞在する方は、
少しでも意識していただけると、
私と同じ失敗はしなくて済むのではないかと笑
本日もお読みいただきありがとうございました。