英語の比較表現における慣用表現

比較表現については今日で最後です。
今日学ぶのは

比較表現における慣用表現

です。決まり文句というやつですね。

これが受験勉強だと非常に微妙なニュアンスを
日本語で訳し分けさせたりして、その日本語を
少しでも間違おうものなら減点されたりします。
結果、暗記一辺倒になってしまいます。

そのせいでこの領域は苦手意識を持ってしまう
生徒も一定数いるという印象です。
日本の英語教育における悪い部分が
出やすいところとも言えそうです。

このブログでは、細かな「訳し分け」は無し。
それよりもその言い回しにおける
コアとなる意味を把握
することに努めます。
また、多少邪道かもしれませんが、
変わった説明の仕方で理解を助けます。

最初は最低限覚えなくてはいけないものを知り、
その後で、苦手意識を持ちやすい決まり文句の
考え方に焦点を当てて解説していきます。

では、早速始めていきましょう。

目次

知っておくべきよく使う慣用表現

まずは最低限覚えなくてはいけない表現です。
これも本当はたくさんあります。
ですが、ビジネスで使いがちな表現に絞り、
6個だけ
挙げますね。これだけ知っていれば
とりあえず切り抜けることはできるでしょう。

覚えなくてはいけないと言いましたが、
どれも英語の文字通りの意味になるものが多く
覚えやすいものばかり
ではありますので
ご安心ください。

では、いきましょう。

ますます~

最近ではますます多くの人達がスマホを使っている。

こういう文章の「ますます」にあたる部分です。
これはよく言いそうですよね。

これを言うには

「より●●」and「より●●」

で言うことができます。

More and more people use smartphone these days.
「最近ではますます多くの人達がスマホを使っている。」

見たまんまの意味なので使いやすいでしょう。

~すればするほど

持てば持つほど、もっと欲しくなる。

なんだか格言的な響きがします。
これも比較の表現で言えます。

The 「より●●」 ~,
the 「より●●」 ~

と言う感じで言えてしまいます。

The more you have, the more you want.
「持てば持つほど、もっと欲しくなる。」

ですね。

多かれ少なかれ

多かれ少なかれ

これもめちゃくちゃ言いますね。
日本語でも言うでしょう。
これはそのまま覚えてしまいましょう。

more or less

これで「多かれ少なかれ」です。
副詞的に使えますから、文章のどこで言っても
問題ありません
。好きな時に言いましょう。

遅かれ早かれ

遅かれ早かれ

これも超言います。先ほどと少し似ていますね。
そのまま覚えてしまいましょう。

sooner or later

これで「遅かれ早かれ」です。
副詞的に使えますから、文章のどこで言っても
問題ありません
。好きな時に言いましょう。

少なくとも

少なくとも

日本語でもよく言いますよね。
こちらも副詞的に使える表現です。
そのまま覚えてしまいましょう。

at least

これでOKです。

~を最大限活用する

これもよく使います。

チャンスを最大限活かすべきだ。

決まった言い方は以下です。

make the most of ~

これを使えば

You should make the most of the opportunity.
チャンスを最大限活かすべきだ。

このように言うことができます。

とりあえずは、ここまで紹介してきた
6個だけ知っておけば、かなりの場面を
乗り切ることができるようになります。

受験で覚えられない慣用表現

さぁ、そしていよいよ問題の表現です。
受験英語では以下を覚えさせられます。
覚えること自体は悪くありませんので、
覚えられたらそれに越したことはないです。

まず、表現だけ列挙しますね。

実に覚えにくい慣用表現

  • not more than:せいぜい
  • not less than:少なくとも
  • no more than:たった
  • no less than:~も

こういう表現を覚えさせられます。

I have no less than 10,000 yen.
「私は1万円持っている。」

みたいな感じで。

なんだか、全部似ている上に、
訳し方もそれぞれニュアンスが微妙過ぎです。
結局どれも似て見えるので、
これを覚えるのはちょっと苦労します。

しかも、大体これに合わせて
以下の表現も覚えさせられます。

  • not more than = at most
  • not less than = at least
  • no more than = only
  • no less than = as much/many as

これ自体はすんなり覚えることができれば
それだけ表現が増えることになりますので
良いこと
だと思います。
ただ、これを訳させられたりして、
ちょっとでもニュアンスを間違えると減点、
みたいな教え方をされてしまうので
なかなか受験での勉強としては厳しいのです。

そこで、これらの「訳し方」ではなく
「意味そのもの」を捉えることを最優先にし、
無理なく理解する説明
をできればと思います。
ちょっと邪道ですがご容赦ください。

意味の理解を最優先にした説明

では、説明していきますね。社会人だけでなく、
受験生でも、もしも苦労している人がいたら、
そんな皆様にも参考になれば幸いです。
きっと、グッと考えやすくなるはずですので。

まず、例えば先ほどのような表現に出会ったら、
ビジネスの現場で一番重要なのは
「訳し方」ではありません。
最重要なのは言うまでもなく「意味」です。
訳し方はニュアンスの話ですから、
ニュアンスを取っ払ってしまっても良いのです。
もっと言うと、ここでのニュアンスというのは
その比較対象をポジティブに捉えているか、
ネガティブに捉えているかだけ
です。

この場合、

1万円という金額を
ポジティブに捉えているのか、
ネガティブに捉えているのか。

それだけ分かれば充分とも言えるでしょう。
まぁ、邪道な考え方ですけどね苦笑
分かりやすさ重視で割り切れればと思います。

例えば、

I have not more than 10,000 yen.

などと言われた時に、果たして相手の気持ちが
1万円に対してポジティブか、ネガティブか。

正直、これさえ理解できれば
良いのではないでしょうか。
学校の試験で訳せと言われたら
それだけだと不充分なんですが、
正確に訳せるのかどうかというのは
本質ではないと割り切るのも手
だと思うのです。

では、ポジティブ・ネガティブの判定です。
これは、中学生の掛け算の知識を使います。

  • notとnoはマイナス
  • moreはプラス
  • lessはマイナス

この、非常に自然なポジ・ネガが判定材料です。

以下で例を見てみましょう。

  • I have not more than 10,000 yen.
  • I have no more than 10,000 yen.

これ、上の文章はnot(-)とmore(+)、
下の文章もno(-)とmore(+)です。
中学生の掛け算で(-)×(+)=(-)です。

そう、この文章は1万円をマイナス、つまり、
ネガティブに捉えている
と解釈できます。

もう、これで良くないですか?という話です。
1万円をネガティブに捉えている。以上です。
訳し方は後は文脈次第で適当にネガティブに
訳してしまえば良いと考えます。

ちなみに、受験英語的な正解の訳は、
先ほどお示しした通り

  • not more than:せいぜい
  • no more than:たった

こんな感じです。ネガティブに捉えてますよね。

次は以下の文章です。

  • I have not less than 10,000 yen.
  • I have no less than 10,000 yen.

これ、上の文章はnot(-)とless(-)、
下の文章もno(-)とless(-)です。
中学生の掛け算で(-)×(-)=(+)です。

この文章は1万円をプラス、つまり、
ポジティブに捉えている
と解釈できます。

受験英語的な正解の訳は、

  • not less than:少なくとも
  • no less than:~も

こんな感じです。やはり、ポジティブですね。
これで邪道ながら、解釈の攻略ができました。

類似表現

今見てきた表現の類似表現があります。
類似というか、同じです。例えば以下です。

  • A is not more beautiful than B.
  • A is no more beautiful than B.
  • A is not less beautiful than B.
  • A is no less beautiful than B.

これも先ほどまでの掛け算の考え方です。
それに加えてnotnoで考え方が変わります。

notは明らかに否定ですよね。
noについてはイコール(=)となります。

つまりこんな感じです。

  • A is not more beautiful than B.
  • A is no more beautiful than B.

この場合、上の文章はnotですので否定です。
加えて、not(-)×more(+)=(-)です。
つまりこの文章は全体でネガティブです。
ですから簡単で、

A is not more beautiful than B.
「AはBほど美しくない。」

これだけでOKです。
それに対して下の文章、つまり、

A is no more beautiful than B.

これはnoが使われていますからA=Bです。
加えてno(-)×more(+)=(-)です。
つまり文章は全体的にネガティブな捉え方です。
以上を踏まえ、以下ぐらいの解釈でOKです。

A is no more beautiful than B.
「AはBと同じく美しくない。」

こんな感じですね。
最後に、以下の2つを見ておきましょう。
もう、難しくないと思いますよ。

  • A is not less beautiful than B.
  • A is no less beautiful than B.

両方の文章とも(-)×(-)=(+)です。
ポジティブに理解すればOKです。こんな感じ。

  • A is not less beautiful than B.
    「AはBよりも美しい。
  • A is no less beautiful than B.
    「AはBと同じく美しい。

こんな感じで、邪道ながら簡単に理解できます。
ビジネスの現場で正しく訳して書いて、
誰かから正誤判定をもらう、という機会は
まず無いと思って良いので、解釈優先です。

今日の復習と次回の予告

今日は苦手意識を持つ人が一定数いる、
比較における慣用表現を見てきました。

  • “「より●●」and
    「より●●」“で
    「ますます●●」
  • “The 「より●●」 ~,
    the 「より●●」 ~
    「●●すればするほど」
  • “more or less”で
    「多かれ少なかれ」
  • “sooner or later”で
    「遅かれ早かれ」
  • “at least”で「少なくとも」
  • make the most of ~”で
    「~を最大限活用する」
  • 覚えにくい慣用表現は
    解釈優先

次回は比較表現の復習の時間にしましょう。
今回もお疲れ様でした!

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